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9月2日 ああ甲子園!私の夏

夏休みが始まり、私が真っ先に向かった先は・・・甲子園!

私のリポートは17日までだったので、準々決勝目前で東京に戻らなければ
ならなかったんです。泣く泣く東京に戻って夏休みに入り、
家で寝っころがりながら、テレビで甲子園を見ていた私・・・
う〜〜ん、何かちがう。

「この目で実際に優勝の瞬間を見なければ、私の夏は終わらない!!」
そう思った次の瞬間、私の足はもう甲子園へ向かっていました。

甲子園駅に降り立ったと同時に聞こえてきた、聞きなれた歓声。
見上げると真っ青な空、ギラギラと照りつける太陽。
そして、見慣れたツタの球場・・・。
二週間毎日通っていた場所なのに、なぜか胸がドクドクと高鳴ります。

階段を駆け上がり、アルプススタンドへ!
見渡すとそこには、たった数日間離れていただけなのに
夢にまで出てきた甲子園がありました。
「そうそう!ここだよ!戻ってきたんだ!」

甲子園全体風景


決勝戦の行方を見ながら、この一ヶ月間を思い出していました。

野球を全く知らない私が「甲子園への道」を担当することになった七月。
初めてのロケと取材でテンテコマイになりながらも、少しずつ高校野球を面白い!
と思うようになっていきました。

そう思う様になったのは、ある事に気がついたからなんです。
それは・・・「高校球児って・・綺麗!!」って事。
関東地区各地でいろんな高校を取材したのですが、
共通してその瞳は真っ直ぐで、眩しい位の輝きを放っていました。
思わず、自分の高校時代を思い返してしまいました。
「私はこんな目をしていたかなぁ?」
自分がどうだったかはわかりませんが(笑)、ここまで何かに一生懸命に
なれる球児が羨ましくなりました。それと同時に尊敬も!

でも、思ったんです。何かに本気になっている人は、年齢に関係なく
きっとその瞳はキラキラ輝くはず!
「だったら、私はこの甲子園に対して本気になって向き合おう!」
そう心に決めました。
私が実際に取材ができたのは、地区予選の中のほんの少しでした。
けれどその中で、ひとつとして同じものはないドラマを見ました。

バックネット裏で、試合の行方とベンチの様子を
見ていた時に物凄い感覚に驚いた事があったんです。
接戦だったその試合の延長13回、「勝ちたい!!」という苦しいほどの強い
思いが両側から突き刺すように飛んできて、目の前でぶつかり合うのが
見えた気がしました。

「両方勝たせてあげれたらいいのに・・・」と何度も思いました。
敗れたチームの選手にどうインタビューすればいいのか、
そしてインタビュー自体するべきなのか考えた事もありました。
でも、敗れたからといってそのままにしてしまうのが一番失礼なことなのかも
しれないと思い、インタビューをさせてもらいました。
いまだに、どうすればよいのか考えてしまいます。

地区予選の結果をお伝えする番組「甲子園への道」を担当して、
沢山の高校球児が夢見る甲子園という場所が
いかに凄いところなのかを実感しました。
同時に、そこまでに行く道の険しさも。

そして代表校が全部出揃った頃に、自分が高校野球からパワーをもらっている事に気がつきました。

甲子園への道


そして私は甲子園に行きました。
甲子園までの道で涙を飲んでいったチームの分まで
自分は試合を最後まで見守ろう!と勝手に思っていました。

今度はアルプススタンドで、応援団の取材です。
「本気なのは選手だけじゃなかったんだ・・・。」
取材を始めてすぐにそうわかりました。
ベンチ入りすることはできなかったけれど、その分スタンドで
応援という形で試合に参加している球児達。
グラウンドだけじゃないんですね。
スタンドも全部ひっくるめて高校野球なんですね!
何十台もの夜行バスで応援に駆けつけた保護者や学生。
皆さん、球児と変わらない輝いた瞳をして取材に答えて下さいました!

そこでわかった、球児達の性格や普段の生活。
実は甘えっ子だったり、テレビゲームが好きだったり・・・
それがわかると、一気に存在を近くに感じることができました。

リポート中


でもその分、試合中は私も一喜一憂です!
逆転したら、飛び跳ねてしまうほど嬉しいし・・・
逆に、地区予選からずっと取材していた高校が負けた時は
それまでの頑張りが頭に浮かんできて思わず涙してしまいました。


そして、忘れられない応援があります。
バレー部の女の子達でできている応援団があったんです。
試合前から、明るく賑やかだったその子たちなのですが・・・
試合が始まって彼女達を見たとき、鳥肌がサーっとたちました。
一回の表から、全身で全力で踊って応援しているんです。
「力を調整する」とか、「あれこれ考えて計算するとか」
そんな言葉が存在しない空間がそこにはありました。

「まっすぐ!!」その一言がピタリとはまる彼女達は、眩しすぎて
本当に真っ直ぐ見られないくらいキラキラしていました!!
大差で負けていたそのチームを必死に応援する彼女達の様子をリポートしたのですが・・・
話を聞きながら、溢れ出てくる涙を止める事ができませんでした。
何でこんなにも力強いのか!?
何でこんなにもまっすぐ生きられるのか!?

そして、彼女達のその姿を見られた事は自分にとっての財産だと思いました。


そんな一ヶ月を経て、とうとう決まった優勝校!
心からすごいなぁ〜。と思いました。
勝った負けたはもちろん大切ですが・・・
私は今回、甲子園で「本気」の素晴らしさを知りました。
そしてこの期間中私も全力でリポートをし
思いっきり笑い、泣き、「本気」の夏を過ごしました。
そんな気持ちを教えてくれた高校球児達、そして彼らを
周りで支えていた人々に心からのお礼が言いたいです!
「ありがとうございました!」

石井さんと!

 

 
 
    
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