食彩の王国 食彩の王国

毎週⼟曜⽇ あさ9時30分から

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過去の放送

第97回 イタリアスペシャル『マンマがトマトソースをつくる日』

9月24日放送予定

★イタリアとトマト

★イタリアとトマト

真夏のイタリア。市場には、地中海の日差しを浴びて育った野菜や果物があふれます。中でも一際目を引くのは真っ赤に熟れたトマト。ピザにパスタにサラダに…。イタリアの食卓はトマトなしでは1日も成り立ちません。イタリア人の食生活に深く根を下ろしたこのトマト。一体そこにはどんなドラマがあるのでしょうか?
食彩の王国「イタリア編」、まずはイタリア縦断トマトの旅へといざないます。目指すは食材の宝庫、人口僅か1800人の町、南イタリア・カンパーニャ州プレセンツァーノです。

★夏の一大イベント「トマトの瓶詰め作り」

★夏の一大イベント「トマトの瓶詰め作り」

北イタリアの大都会・ミラノに住むスコテーチュ夫妻は、毎年夏になるとカンパーニャ州にある小さな町プレセンツァーノへ帰省します。「トマトの瓶詰め作り」の為です。人一倍“旬”にこだわる南イタリアの人々は、夏の太陽を浴びて真っ赤に熟したトマトをこの時期に一気に収穫し、それを一年を通して味わおうと瓶詰めにして保存するのです。その分量は数百キロにも達し、家族総出で一日がかりの作業になる為、郷里を離れた子供たちもこの日ばかりは帰省して、瓶詰め作りを手伝うのです。

★マンマのトマトソース〜母から娘へ受け継がれる味〜

★マンマのトマトソース〜母から娘へ受け継がれる味〜

トマトの瓶詰めから、お母さん(マンマ)は様々な料理のベースとなるトマトソースを作ります。各家庭それぞれの味を持つトマトソースは、正にイタリア版「おふくろの味」。ここプレセンツァーノではそんなマンマのトマトソースが、母から娘へと代々脈々と受け継がれてきました。中でもマンマが作るシンプルなトマトソースのパスタは、故郷を離れた家族が最も郷愁を覚える食べ物だとか。
実はその一皿にはイタリアの食の歴史がギュッと凝縮されているのです。番組は、トマト、そしてパスタがイタリアの地に「見出された時」にも迫ります。

★小さな町の豊かな食

★小さな町の豊かな食

トマトソースとパスタの組み合わせをさらに美味しくしてくれる名脇役。それはすり下ろしたチーズです。プレセンツァーノには羊飼いが作る昔ながらのぺコリーノチーズがあります。たった一人で300頭の乳を搾るのはお父さんの仕事。その乳でチーズを作るのはお母さんの仕事。彼らはヨーロッパに初めてチーズが伝わった頃の製法を受け継ぎ、町の人たちを相手に全て手作りでチーズを作り続けてきました。実は古いやり方が守られているのはチーズだけではありません。オリーブオイルもワインもソーセージも、この町の人々にとっては手作りが当たり前なのです。

マンマがつくる一皿のトマトソースパスタに込められた、イタリアの歴史・風土・文化。食に拘り守りつづけることは、それらを守り伝える事でもあるのかもしれません。南イタリアの暮らし振りを食を通して追いながら、私たち日本人が忘れつつある食の原点に思いを馳せます。

取材先
制作担当

【ディレクター】伏谷毅彦(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】土橋正道 吉岡陽代 (テレビマンユニオン)
【プロデューサー】高階秀之(テレビ朝日)