教授、被災地つなぎ「第9」を
2019/03/31
坂本龍一(67)が音楽監督を務める「東北ユースオーケストラ演奏会 2019」が31日、東京オペラシティ(新宿区)で行われた。東日本大震災で被災した若者たちによる演奏会で、東京での演奏会は4回目。また、女優の吉永小百合(74)が、朗読で参加した。
演奏会では、「ブラームス交響曲第2番」ほか、坂本作曲の「戦場のメリークリスマス」などアンコールを含め、計10曲を披露。映画「最高の人生の見つけ方」の役作りのため、髪を短く切った吉永は石川啄木の「飛行機」、宮沢賢治の「作品1004番」など5編の詩を読み上げた。
坂本は「音楽的な成長ばかりではなく、人間的な成長も感じて、いい演奏会になりました」とメンバーをたたえた。吉永に対しては「原爆詩の朗読を続けておられ、その思いがあふれた朗読になった」と感謝していた。
来年の公演に向けては「そろそろ、オリジナル曲を書かないと」と意欲をのぞかせ、「東日本大震災以降、各地で災害に遭われた方たちを集めて『第9』(ベートーベンの交響曲第9番)を演奏できたら」と新構想も明かした。